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副生徒会長の偽島メモから役に立たないものを盗み食い。 聖グレゴリオ魔術学園の騒動も盗み食い。
2017/12
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時間切れで呟けなかったので此処に書きますが
マッド・ティー・パーティーの原文が見当たらなかったので記憶頼り
……つまり凄く、怪しいです。
部屋にあると思ったら『地下の国』初版の復刻版で、そのシーンはまだ加筆されてなかった。

チキンレースは程々に。


18.

 真の神などいない、という僕の持論は
 もしそれがいたならば僕のような存在を許さないだろうから、という
 ただその一点の理由からの推察に他ならないが
 本当のところ
 単に僕自身がそんなものを信じられないだけ
 なのかもしれない。

***

「如何にもって感じだなー……流石と言うか何と言うか」
 僕の肩にとまった大きな鴉に、ドォルがあんぐりと口を開ける。これまでの動物たちと違い、この鴉は深催眠状態どころか術すらかけられておらず、ただ純粋に個体の意思によってこうしているようだった。鳴声も上げず動くにしても時折翼を広げる程度で、それ以外には特に何をするでもない。
「……重たい」
「見るからに重そうだ」
「けどそいつさぁ、何も喋らない? 面白くねーな!」
「お前の喧しさと足して二で割れば丁度良い」
『しかしほんと、最早隠しようもない程死神っぽいよなぁ』
「最初から隠す気なんて余りなかったように見えていたのですよっ」
「……。というか、何故勢揃いしているんですか」
 大して広くもない部屋に狼のままのドォルに雑霊のノイズの所為で不鮮明な姿のピアス、九頭龍の生霊、そして巨大棺桶と先輩が雁首揃えて並んでいる。おまけに電話口からは御崎が無駄に偉そうに話し掛けてくる。
「……狭い」
『お前の鞄じゃこれが限界だっつーの』
「集まる必要がそもそもないじゃないか!」
「んーと……物見遊山のようなものなのですよね」
「鳴瀬、鳥だからって飛び掛るなよ」
「幾らなんでも鴉は美味しそうに見えないのです。お肉も黒いって言うし」
『そりゃ都市伝説だ』
「知ってるもん。食べたことあるしぃ」
「うっへーマジで?」
「で、美味しかったんですか?」
「……五月蝿い!」
 思わず思い切り座っていたベッドを殴った。生徒会のメンバーは集まると何時もこうだ。余計な話ばかりして、肝心の議題についての結論は時間ギリギリにじゃんけんや阿弥陀籤で決める――などという実態が校内にバレたら大変な事になるだろう。
 彼らが一度に詰め寄せた原因は大体判っている。
「しかし矢張りドォル先輩の聞き違いだったのでは?」
「この耳でしかと聞いたんだがなぁ。『白い鴉だ』って、言ったよな竜胆」
「言ったけど……」
 対峙した時には辺りを飛んでいる他の鴉と何ら差のない黒い鳥であった。奇異が起きたのはその後、飛び回る毒蛾を捕獲し気絶しているであろう鴉を回収しようと振り向いた時。
 そこに黒い鴉はいなかった。代わりに白くて大きな鳥がこちらを見ていた。

 ――白い鴉だ。

 ドォルが聞いたのはその科白だろう。だがまるで光っているように見えたのは最初の一瞬だけで、瞬きをした間に元の色に戻ってしまった。
「本人も認めた。流石に白と黒を間違える馬鹿はいないだろうし」
「でも現に……黒いですよ」
「折角珍しいもの見られるっていうから来たのにぃ」
『転送画像で見ても黒いものは黒いな』
「念の為聞くけど、お前の目にも黒く見えてるんだよな、今」
「あぁ……うん」

 本当は気付いていた。あの時、僕の両眼は完全に昔通りの『鏡の目』になっていたのだ。
 但しそうであれば、それに映った鴉は死んでいた。
 実際には――雪のように白く映ったこの鴉は死なず、こちらを『鏡の目』で見返していた。ほんの僅かの間だけ、僕と鴉の間には無限回廊が広がっていた。
 これは。この現象は――この鴉は。

「まー黒かろうと白かろうと俺ァどっちでもいいやッ!」
 茫洋と空間を漂っていたピアスが唐突に人の形を成した。
「そっちのが居心地良さそーだし! 俺はそいつに憑く!」
「ま、」
「待てピアス」
 僕と九頭龍が同時に制止を掛けた時には手遅れ。鴉は肩から飛び立ち、ばさばさと羽ばたきながら禍々しい声で笑っている。
「……ピアスに『檻』を出る程の力なんてあったの?」
「ピアスにはない筈なんです。ただ彼は表層にいる雑霊の柱に過ぎない。私が手懐けたかったのはピアスで自身をカムフラージュしている本体の怨霊でした。ただ本体は今は落ち着いていて、逆にピアスの方が騒がしかったのでハムスターの身体を拝借する事にしたんだが……どうやら本体は鴉が気に入ったようですね」
「って冷静に解説されてもなぁ。つまりその気になりゃ本体の怨霊とやらが俺たちに襲ってくるって事じゃね?」
「多分それはない、と思うから預けたんですよ」
「どういう意味だ?」
「中核にある怨念は人間のものではない」
 何はともあれ本体の意思なら大丈夫、と言い残し、九頭龍はお約束のようにポルターガイストを伴って消える。お陰で御崎との通話は途切れてしまった。
「……訳が判ったような判らないような」
「俺にはさっぱり判らん」
「僕には関係ないのです」
「せ、先輩……」

***

 そして相も変わらずピアスは暴れ放題、ドォルは新しい拠代に疲れて居眠り、先輩は遺跡内で遊んでいるらしく時折普通に――つまり首だけだの壁の中からだのではなく――姿を見せる。個室が出来た所為でもあるのだろうが、
「段々、寮に居た頃と変わらなくなってきたような」
「そうかなぁ」
「寧ろ先輩がいる所為で一年逆戻りした気分です……」
 げんなりした語調を無視して、先輩は「サモン・ナースキャットー!」と楽しげに言った。その言葉に合わせるように、嘗て捕獲した黒猫山猫たちがわらわら彼の周りに集まる。あとはお助けにゃ、という特訓なのですね、等と無理難題を言う先輩に僕は溜息をついた。
「あ、そだ」
「うん?」
「バレンタインディにいっぱいお菓子貰えたってドォルから聞いたけど、ちゃんとお返しあげたのですか?」
「あんな風習、僕には馴染まないけど……返しましたよ、粗方」
「わぁ、やっと社会適応性が!」
「先輩に言われたくない……ただ、一人だけ何を返すか迷ってる相手が……って聞いてないし!」
 先輩は猫たちを抱え、棺桶に帰ろうと鍵をバチン、バチンと開いている。
「そんな事で悩まずに、欲しいものを上げれば良いのですよっ」
 そしたら多分相手にとって、そうそう困るものを渡す嵌めにはならないのです、と言いながら先輩は部屋へ戻っていった。最後に詩の断片を残して。

 時間がへそを曲げたから
 何時までもお茶会は終われない
 洗い物する暇もなく
 次から次へとお茶を飲む

***

おまけ。

デュィル(494)に無事 キャンディ を渡しました♪
竜胆「まぁ、飴はどうでも良いけど?(前に聞いたような言葉を返して)……約束通り逝く先を見届ける為に(燻した金色のシンプルな懐中時計、蓋を開くと13まである文字盤。特別な仕掛けは見当たらないが仄かにラベンダーの香りがする)」

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