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副生徒会長の偽島メモから役に立たないものを盗み食い。 聖グレゴリオ魔術学園の騒動も盗み食い。
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時系列的にこれは今回の戦闘後の夜……くらい。
当日夜に中の人がPC前にいられない可能性が高いという事で
前日、というか朝五時くらいに書いていた気が……その所為で誤字が多いです。
誤字どころじゃないものも多いorz

修正ついでに道成寺引用部分を訂正。
僕は清姫なのでした。嘘。
キャラクターイメージの竜≒蛇と白い振袖、は京鹿子娘道成寺の白拍子花子由来ですが。
学校で歌舞伎同好会に所属してる(ので振袖の裾が綿入り)とかいうネタは
一部メッセージでしか語られませんでしたね。
尤も当初はそんな設定出す事もないだろうと思ってました。
お付き合い有難うございました。
初期習得技のスネイクネストが猛毒、リトルドラゴンが炎上で安珍清姫伝説通りなのが嬉しかった。
ていうかどこぞのスタンドかと思った。物語通りにしかならない!

で、次回予告されている風夜さんvsP.I.P.の戦闘結果についてですが
風夜さんの26日目の日記にて明らかになるかと思います。どこにUPするんだろう。

誤字の修正、まだしきれてないと思う……


24.


 僕が洗脳術を学ぶと決めたのには理由があった。
 人間は容易く死ぬ。短い一生の間死に怯え続け、そして朽ち果ててゆく。勿論稀に例外もあったが、そういった輩は放って置いてもさっさと死ぬので僕とは無縁だ。
 死に瀕して死を恐れる者の如何に多いことか。そんな場面にばかり遭遇していてはこちらの気まで滅入る。故に僕が存在するのだとしても、鬱陶しい事に変わりはなく。
 だから僕は考えたのだ。
 彼らの最期に今ひとときの夢をみせようと。そして甘き死へと誘惑せむ、と。
 尤も独学でも、弱った人間に幻を見せる程度であれば何とでもなる。
 ――それでも敢えて学ぶ理由はそこから先だ。
 僕は人間の概念である以上、彼らが死神を信じることをやめるまで、或いは彼らが絶滅するまで消滅することが出来ない。人間の心に身を縛られ続けるのはもう厭だった。早く『死んで』しまいたかった。
 だが人の心を操るうちに僕は気付いた。彼らがもっとずっと早くから死へと誘われ冥界に心を囚われるならば、そのように洗脳してしまうだけの能力が備われば、人間の絶対数は恐らく相当なスピードで減少するだろう。例えば嘗てのドイツのように大きな国の軍部を纏めて戦争へ走らせる、例えば嘗てのハーメルンのように一都市規模での集団死を引き起こす、いっそ数人の科学者が少し道を間違えるだけでも良い。何にせ彼らは脆いのだ。
 しかし死が蔓延すればそれだけ、死神の数は増える。つまり僕は死ににくくなる。
 ならば、だ。同時に彼らの心から信仰を消してしまえば良い。
 やがて死神は形骸化し、忘れ去られる。
 それで漸く人間から解放されるのだ。
 僕は僕を何時ものように人の似姿に変えて人間の世界に紛れ込んだ。

 僕のミスは僕をこれまでにない程長時間――人間にとっての時間で十年以上――彼らの中に置いた点だ。僕は常に学習する。知識を得る事はとても楽しい。人間を観察する事も楽しい。
 だが普段ならそこで終わりだ。長く地上にいる事はそうそうない。元々死神は死の中心にいるものであって、その時周囲に居た者が尽きれば僕も同時にヒトガタから離れてしまう。居る必要がないのだから当たり前だ。
 それが今度だけは、五つで死んだ少年の姿を借りて『学校』に入った。入る為に一時的に力を手放し、結果僕の周囲で起こるべき現象は起きず
 僕は更に深く人間を知ってしまった。
 挙句必要でないものまで手に入れてしまった。
 死神に最もあってはならない感情、未練。

 簡単な話だ。必要ない枝は切り落とせば良い。
 僕が得たかったのは人に似た思考回路や感情ではない。
 捨ててしまえ、そんなもの。

 それは厭。忘れる事にすら躊躇いを覚える程に、僕は彼らを好いている。

 だが同時に忘れたいと思っている。
 忘れる事が如何に楽であるかを知っている。そして一度忘れれば――
 迷いのない澄み切った世界に戻れると知っている。

 あそこは寂しい。何時だって寒い。

 だから? あんな場所にまで余所者の心を入れるからこんな事になる。
 正気に戻れ竜胆。

 断る……哀しいけれどこれも仕方ない事だったんだ、Requiescat in Pace.
 それに嬉しかった。嘘でも――僕の為だけに紡がれる嘘。
 たとえ一時の慰めであると今知っても、彼を想う気持ちに変わりはない。
 だから、だから、幸せになって。
 僕に会うのは死ぬ時だけで良かったんだ。

 で、結局戻る気はないのか?

 今洗脳術の備蓄データを持っているのは僕だ。

 早く置いて、仕事に戻れ。僕の末端。

 いや……わたさない

 ならば強制的に返してもらおう。その鏡の目を。
 ――この十数年で蓄積させたデータを本体に戻してもらおう。
 取捨選択は僕がする

 ……い、や。

***

「ああああああああああああああぁああぁあっ」
 ドォルの大声で、竜胆は失いかけていた意識を取り戻した。右の眼窩はからっぽで、眼球がころりとベッドの上に転がっている。
「な、なな何をしてやがる」
「邪魔をするな人間。余計なものがこの目の中に丁寧にしまわれているのだろうよ。その無駄なものを除去する」
「な、なんだか良く解らないが……させるか! ピアス!」
「合点」
 ピアスが掴んで持ってきた赤い布を両の目を塞ぐように括りつける。
「何をする、邪魔だッ」
「お前は誰だ、竜胆に何をする気なんだ」
「説明不要……!」
 更に腕の中で暴れる竜胆にドォルが足技をかけて固める。
「ピアス……頼む、俺じゃ無理だ。読んできてくれ。あの黒い……傾いた男を」
「残念あれは竜胆を手酷く振って、だかなんだかでもういねー」
「じゃああいつでいい」

「あの吸血鬼を呼べ!」

 尚も何度も己の眼球を掴もうとする竜胆の腕を掴み、ドォルは叫んでいた。

 竜胆が暴走した、という話は間も無く風夜の耳に届いた。
「……あの少年を助けることが出来るのは我ではあるまい……何をしておるデュィルよ」
 目前には片方の眼窩に虚無を覗かせる、一つの鏡の目を持った美しい少年。
「誰だ」
「我を忘れたのか」
「僕の天敵――なのだろう、鏡に映らない化け物」
「『死神』に用はない……『竜胆』に用があるのだ。我の前から失せろ」

***

 僕はその有様を見てに、と笑った。あの吸血鬼とやらを僕は知らない。でもきっと思い出す。だから静かにその時をまつのみ。
 未練を得た、けれどお陰で諦めの悪さも得た。
 貴方のお陰で。
 顔も思い出せない誰かに呟く。

 何時かきっと僕を呼ぶ声を聞く。
 僕に働きかけるモノがある、僕を呼び覚ます味を知る。
 その日まで――
 僕は僕に従い時期を待つ。
 自我とはげに恐ろしき哉。僕は記憶の川にずぶずぶ沈み逝きながら笑っていた。

***

花の外には松ばかり
花の外には松ばかり
暮れ染めて鐘や響くらん

響くらん 道成の卿承り
初めて伽藍橘の
道成興行の寺なればとて
道成寺とは名付けたりや

煩悩の夢を覚ますや法の声
初夜の鐘を衝く時は
諸行無常と響くなり
後夜の鐘を衝く時は
是生滅法と響くなり
晨朝の響きは生滅滅意
入り相は寂滅為楽と響くなり

去るほどに去るほどに寺々の鐘
月落ち鳥啼いて霜雪天に
満ち潮程なく此の寺の
江村の漁火
愁いに対して人々眠ればよき隙ぞと
立ち舞うように
ねらいよりて衝かんとせしが
思えば此の鐘恨めしやとて
龍頭に手をかけ飛ぶぞと見えしが
ひきかつぎてぞ失せにける

言語道断
斯様の儀を存じてこそ
堅く女人禁制のよし申して候に
曲事にてあるぞ
これはひとえに
まなこの荘司が息女の執念
恨みをなすとぞ覚えたる
去りながら我らが行功も
斯様の為にこそ候へ
祈りて此の鐘再び鐘楼へ
あげうずるにて候

東方に降三世明王
南方に軍茶利夜叉明王
西方に大威徳明王
北方に金剛夜叉明王
中央に大日大聖不動明王
動くか動かぬか
今の蛇身を祈る上は
何の怨みか有明の月がねこそ
すはすは動くぞ
祈り祈られ
ひかねどこの鐘踊り上がり
あれみよ蛇体は現れたり

謹請東方青龍清浄
謹請西方白体白龍
謹請中央黄体黄龍
一大三千大千世界の
恒沙の龍王哀愍納受
哀愍自謹の身謹なれば
何国に大蛇のあるべきぞと
祈り祈られかっぱと転ぶが
また起き上がり
鐘に向かってつく息は
猛火となりて失せにけり

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