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副生徒会長の偽島メモから役に立たないものを盗み食い。 聖グレゴリオ魔術学園の騒動も盗み食い。
2018/12
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Logは前振り記録の為のカテゴリです。
因みにS.G.M.C.は最もどうでも良いネタを撒き散らす為のカテゴリ。

以下は実質1日目。経緯から到着まで。
今後はメッセージや結果を反映させながら書き綴っていく予定。無謀ですね。
結果画面は横に長すぎて、読み物には向いていない気がします……
と、何処からともなく中の人から栗鼠の人への呟きが聴こえてきました。


1.

 全科共通必修科目『課外実技』。我が校に於いて、通常の大学でいう卒研にあたるもの。尤も卒業生が常に新入生の一割に満たないこの学園では課外実技まで辿り着ける者はそう多くはないし、この科目の単位を習得し終わるまでに数年掛かる事もザラだ。おまけに、中には稀にこれを運悪く二度も履修する嵌めになる哀れな奴もいるらしい。
 ――僕の知る限りでは約一名ほど。
「五月蝿ぇな、単位は揃ってるっつーの。ただ徽章が見つからないだけなんだって。そもそも俺が卒業出来ないうちはお前だって卒業出来ねぇんじゃん。ドォルなんてその所為で留年だろ。バーカバーカ! バカ猫!」
「お前、殺されても知らないよ?」
「悪口言う前に封音結界くらい張ってるわバカ死神! 何で俺だけこんな目にーっ」
 寝癖で跳ね放題の紫掛かった黒髪に櫛を入れながら御崎が喚いた。こいつがその約一名、本来ならば泣く子も黙る絶大な権力を持つ筈の現生徒会長というのだから何とも泣ける話だ。そうなるように仕組んだのは前生徒会長なので更に始末が悪いのだが。

生徒会規定第五章『委員の引継ぎ』
一. 生徒会会長職はその徽章を後任へ譲渡する事でのみ引き継がれる。
二. 新会長に拠り組織された生徒会の委員は、この会長が辞任するまで交代出来ない。

 こんな無茶な規定に上手く手玉に取られてしまったのが御崎参礼。折角飛び級を重ね、一度は課外実技単位を修得したにも係わらず、大切な会長徽章を前生徒会長に課題ルート上に隠されてしまい卒業がままならなくなったある意味最も運の悪い男。
 いや――その巻き添えを食う僕ら生徒会委員だって負けず劣らず運がない。書記のドミトリィ・ドォルは御崎生徒会に所属したばかりに最早履修科目もないのに卒業保留、御崎の様子を見るに僕やもう一人の書記である九頭龍雷人も同じ道を辿る確率が高い。
「だから早く徽章を探し出してきてよ」
「そう簡単に見つかる場所に隠してくれるような優しさが先輩にあると思うか?」
「いや……ない。呪いの指輪宜しく火口にでも捨てられたんじゃないか?」
「とすると俺ら死ぬまで生徒会委員だぜ。ジジィになっても学生のままでさぁ」
「勘弁して欲しいね」
 僕は足袋を綺麗に揃えて旅行鞄に詰め、閉じる。着替えと武器と医薬品、それに少量の食料――持ち物はこれで全部、後は現地調達するのが決まりだ。せめて御崎のように週のうち何日かは寮に戻れる環境ならば良いのだが。
「ま、僕が単位修得し終わる前に頑張って見つけておいてね」
「お前は実技今日から?」
「うんまぁ。先達として何かアドバイスの一つでもないの?」
「んなもんある訳ねぇだろ。行き先が錬金科とは違うじゃん。確か洗脳科は遺跡だとか言ってなかった?」
「担当教官からそう聞いてはいるんだけど、これまでと行き先も少し変わったみたいだし実質前情報はゼロって状態」
「またか。絶対今年も誰か死ぬぞ良いのかうちのガッコ。そういや先輩は一応洗脳科の実技もクリアしてたよなぁ」
「場所が違うんじゃ意味ないし、聞いたところでどうせ嘘を吹き込まれるだけだ」
「いやぁ、錬金科のルートは教えてくれたぞ? まぁ、代わりに邪魔してくるけど」
「結局駄目じゃないか」
「当たり前だろ」
 僕と御崎は顔を見合わせて深く溜息をつく。
「……ふと思ったんだが、僕が君を殺せば会長不在で生徒会解散になるんじゃないかな」
「はぁ?」
「生徒会規定第五章二の付記。『但し、会長死亡時は即時解散、委員死亡時は交代を認める』、これだよ。お前が死ねば先輩の嫌がらせも受けずに済むしドォルは卒業出来る、僕らも不安材料なく勉強に専念出来る。四方丸く納まって実に良い具合だ。そうは思わないか? 御崎」
 鏡に映る僕の瞳が銀色に濁る。この黒い瞳が鏡のように銀色に光る時、一瞬でも目を合わせた者はその命を奪われる――それだけと言えばそれだけだが強力な、否強制的な、死神に生まれつき備わる能力。
「うわストップストップこっち見んな!」
「――冗談だよ。ここで殺しちゃ流石に……犯人バレバレだし」
「そっちかい!」
 実を言うと今現在は流石に危険であるとして力を制限する一種の呪いを掛けられているし、こちとら面倒事など御免だからそれを行使する気もない。人を殺せない死神などただの人間と大差ない、という点に多少の不満はあるが、そもそも死神というのはついうっかり命を奪うのが普通であって、意図的な殺人は余程の事がなければ起こさないものなのだ。少なくとも、僕はそう聞いている。何時何処で聞いたのだったかは忘れたが。
「さて、そろそろ出ないと汽車に間に合わないな。行くよ」
 白絹の振袖をインバネスよろしく羽織り、下駄を突っ掛けた。
「何かさぁ、毎回思うんだけどその格好、小袖の手みたいだな」
「小袖じゃないし、妖怪じゃないし、というか被ってる訳じゃないし」
「三倍にして返すなよ……」
 ふんと顔を背け、伸びた髪を朱色の縮緬で結い上げる。
「それじゃあまたね」
「あぁ。無事の御帰還を、死神R.I.P.」
 御崎はそう言うと、彼らしくないにこやかな、つまりは意味深な笑顔で僕に手を振った。

***

 あれから汽車で三時間、船に乗り継いで半日。漸く辿り着いた課題地、遺跡の入り口には多種多様な外見の者が大勢集まっている。新しく発見された遺跡、という事だから、恐らくお宝探しの連中やら物見遊山の連中やらがこぞって押し掛けてきているのだろう。盛況振りは予想以上だが、取り敢えず今はそれは良い。問題はこっちだ。
「この出入り口……魔方陣……」
 複雑な文様が描かれた床。説明によるとこの文様は思い浮かべる事で遺跡外部からのテレポーテーションを可能にするものらしい。探索に便利といえば便利だろう。が。
「こんな訳の解らん奇妙な模様なんぞ……いちいち覚えていられるか!」
 小声で不平を垂れつつ二つの魔方陣を紙に描き写す。こういった類の暗記は苦手だし、大体余りにしっかり記憶してしまってはふいに思い出してしまった場合、一瞬でテレポートしてしまいました、等となりはしないか気が気ではない。こうして写しているうちに目に焼きついてしまったら、考えるだけで先が思いやられる。
 かといって移動時に思い出せなくても困る訳で。
 現時点で最も必要なのは食料より――カメラ。現像に出す暇などないからポラロイドか、それに似たものが良い。だがそんなものが果たしてここで手に入るのだろうか。
 初日からこんな事で躓く事になろうとは。
 僕は気落ちしながら、周囲に倣い一先ず宿へと引き上げたのだった。

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